ママモスタディ

ひな人形の飾り方は十色。どんな飾り方があるの?飾り方に意味はあるの?の疑問を解説!

 

女の子が産まれたら用意するおひなさま。

ひな人形のお店にいくと、その種類の多いこと!

おひなさまとお殿様の姿・座る位置も異なれば

ひな壇の段数も様々。1段から多いものは7段まで・・・

 

おなじひな壇なのに違いがあるのは、その伝統や風習に意味があるからです。

ひな壇の飾り方について簡単にご紹介し、

おうちのひな人形がどのようなルーツをもっているのか、お子様と一緒に楽しんでいただければと思います。

ひなまつり

 

ひな壇の意味

もともとは子どもの邪気を払うために、木や布でつくった人形を川や海に流していた行事であるひなまつり。

はじまった当時は男女すべての子どもの健康を祈る行事でしたが、端午の節句の対となるものとして女の子の行事として定着します。

 

昔は、女の子の幸せ=結婚という時代であったため、おひなさまは結婚式の体裁で飾られるようになりました

 

さて誰の結婚式をモチーフとしているのか?

それは【うれしいひなまつり】の歌にも出てくる「お内裏様」の「内裏」という意味が、天皇の居所などの私的な場所を指すことからも分かるように、天皇皇后両陛下の結婚式をモチーフとしています。

 

「我が子も天皇皇后両陛下のような良縁に恵まれてほしい」

女の子の幸せを願う当時の人々は、そんな思いから結婚式のひな壇を飾っていたのですね。

 

それを踏まえると、ひな人形の1つ1つが日本の昔の貴族社会に由来していることが分かります。それは次の記事で見ていきましょう。

 

ひな人形の飾り方

1段もあれば3段もあり、7段の豪華なひな壇もあり・・・

「うちのは何段」なんて表現であらわしがちですが、段数の違いによる飾り方の名称があります。

◎親王飾り

親王飾り

 最上段・男女一対の飾り方。

 「親王」というのは昔、天皇の子女の称号のことを言いました。皇太子である親王と、そのお姫様の一対の飾りということで「親王飾り」といいます。

 天皇皇后両陛下のような幸せな縁組をという、昔ならではの願いが込められた飾り方で、昔はこれが主流だったそうです。

 もともと子どもを病から守るためにつくられた「ひいな人形」を、節句の行事に飾るようになったひな人形。そこに女の子の行事として結婚儀礼が結び付いたものなので、メインの2人を飾ることからはじまったのでしょう。

 いまは親王飾りで、出し入れに便宜なようガラスケースなどに入った収納飾りが多く店頭に並んでいますね。

 人形が少ないならでは、小物や人形の着物に凝った質の高いひな人形を用意できるという利点もあります。

 

◎五人飾り

おひなさま

 姫・殿+三人官女の飾り方。

 お殿様とお姫様の身の回りの世話役である三人官女をプラスすることで、内裏(=天皇の私的な場所)というひな壇の設定がより濃く描かれます。

 2段だけでなく3段にして、ひな人形は5人・3段目に調度品という飾り方も多くあります。

 七段飾りとの中間にある5人飾りは、親王飾りより華やかさを演出し、7段飾りよりもコンパクトに飾ることができる柔軟性という点で優れものです。

 

◎七段飾り

 

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 人形15体すべてそろった飾り方。縁起のいい数字「7」をとっています。

 内裏でお殿様・姫様を支えるメンバーが勢ぞろい。嫁入り道具や小物までフルセットでそろった七段飾りは、見た目も豪華さることながら、ひな壇の歴史や意味を重く表しています。

 古来、広い平屋建ての日本では七段飾りも容易だったのかもしれませんが、今では1世帯住宅も狭くなり七段飾りをそろえる面積的余裕がない場合の方が多いかもしれません。

 お人形屋さんで手作りのひな人形など揃えた場合には、七段飾りとなると…予算との相談もありますね。

 それでも、子どもの成長を願う1つ1つの人形や小物がすべてそろい、毎年子どもと一緒にそれぞれの意味や並べ方の由来などを話し合いながら飾ることで、日本の伝統についての教育にもなります。

 何より華やかさという点で、子どもはいっそう喜ぶことでしょう。

 

 

 上でご紹介した飾り方が代表的なものですが、そのほかにも姫・殿+三人官女+五人囃子の3段飾りや、それに調度品も含めた5段飾りなど、選び方によって多種多様なひな壇をつくることができます。

 それぞれのご家庭の生活環境に合った飾り方で楽しむことが一番だと思います。

 

 

 

内裏雛(1段目)の並び方

ご家庭の内裏雛は、女性と男性がどのような並び方をしていますか?

ご家庭の並び方と、テレビで見た内裏雛の並び方が違う!なんてことに気づかれたご経験はありませんか?

内裏雛の左右に、正解はありません。

どちらもそれぞれの地域風習による理由があります。

 

京都風は左が男びな(対面して右側)、右が女びな(対面して左側)。

関東風は左が女びな(対面して右側)、左が男びな(対面して右側)。

 

西と東の地域で、内裏雛の並び方が逆です。

これは、公家社会(京都)では左が上位武家社会(関東)では右が上位という違いによるものです。「右にならえ」は武家社会の伝統からきている号令ですね。

日本では国際社会にならって右上位が標準化しています。

諸説ありますが、関東風の並び方は、東京のひな人形の業界が昭和天皇即位にあたり西洋式(右が上位)をとられたことに倣ったのがきっかけともいわれています。

 

なお、左右の位置が異なるのは内裏雛だけで、そのほかの段に並ぶ人形の順番は関東風でも昔からの京都風と同じ(左が上位)です。

 

どれが良いとか正しいとかの基準はなく、ご家庭の風習やお考えに沿って、ご家庭ごとの飾り方をされるのがいいと思います。

 

 ひな壇の飾り方については以上になります。

 それぞれのひな人形の意味や持つ道具についてのご紹介もぜひご覧ください!

 

*ひなまつりの記事*

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