ひな人形はいつ飾る?いつ片付ける?飾るのは立春以降・片付けるのは晴れた日に!
節分が終わるとバレンタイン
バレンタインが終わるとひなまつり…
イベントがせわしなくやってきますね。
うかうかしていると2月も中旬を過ぎ、
「おひなさま出してない!」とあわててしまうことも。
そして無事に桃の節句を終えると、
「まだおひなさま出してある!」とあわてて片付けることも。
おひなさまをいつ飾るか・いつしまうかについては、地方の風習あるいはご家庭の生活事情に合わせるのが一番ですが、平安時代に起源をもつ歴史あるひな人形ですので、飾る時期や片付ける時期についても由来・理由があったりします。
必ずこの時期に飾る/片付けをしなければならない!というものではありませんが、
いつ出そう?いつしまおう?と悩まれた時のご参考になれば幸いです。
- ひな人形はいつ飾る?「立春」以降がメジャー
- 注意!避けるべき日:前日(3月2日)
- 良縁をかつぐのであれば「雨水」に飾る
- ひな人形を早く片付けないと婚期が遅れる?
- 晴れた日に子どもと一緒に片付けよう
- まとめ
ひな人形はいつ飾る?「立春」以降がメジャー
まだまだ寒い2月初旬~中旬ですが、節分が終わり2月4日以降になると暦の上では立春。春の始まりです。
おひなさまを飾るのは、この立春が過ぎてからがいいとされています。
立春に飾るのは、
- 節分により家の邪気が払われた後であること
- 春という自然の芽吹きの時期と、子どもの成長とをリンクさせて祝う行事として適切であること
- 3月3日桃の節句の日まで約1か月の期間、おひなさまを十分楽しめること
などが挙げられます。
現代ではバレンタインデーの時期と重なるのでせわしない時期ではありますが、2月中旬ころまでに飾れば、春の訪れとともにたっぷりとおひなさまを楽しめますね。
また、大安吉日に飾るのがより縁起のいいものとされていますが、
おひなさまを飾るうえで重要なのは、家族が「今年もおひなさまがきたね」と心を込めて楽しみながら飾ることですので
無理に暦に合わせず、遅くともひなまつりの1週間~10日前くらいまでに時間をとり、飾るのがベターです。
注意!避けるべき日:前日(3月2日)
ひなまつり本節句(3日)の前日に飾るのは、「一夜飾り」と言われ避けるべきとされています。
理由は、「一夜飾り」はお葬式といった不幸が起きた場合に行われるものだからです。
人の不幸は突然起こり、お葬式の準備を前もってできていないことが多いです。
そうすると、一夜に準備をし、翌日式という流れになります。
これを「一夜飾り」というので、前もって準備ができるお祝い事にこれを行うことは避けるべきとされています。
桃の節句も前もってお祝い準備を行う吉事ですので、前日に飾るのは避けましょう。
良縁をかつぐのであれば「雨水」に飾る
「雨水」は、立春のあと、2月19日ころのとき。「立春」と同じく旧暦で季節を正しく示すための暦上の点である「二十四節気」の1つです。
昔の人は暦を24等分し、それぞれに季節の名称と意味を与えたのですね。
「雨水」は、雪から雨へと変わり、積雪や氷が解け始める雪解けの時期。この雪解け水が大地を潤し、春の訪れを告げます。
作物が育たない厳しい冬。その冬が終わり、氷が解け始め風が暖まりはじめると、雪解け水を使い人々は再び農作業を開始します。
水の産まれはいのちのはじまり。そのため水は生命の芽吹きをもたらす母と捉えられ、女性にとって「水の神様」は子宝や良縁をもたらすものとされてきたのです。
また、もともとひなまつりの節句は「上巳の節句」という、水辺で邪気払いを行う行事に由来があります。
*ひなまつりの由来はこちら
もともと水に関係する行事であるため、「雨水」で始めるのに縁起がいいものと考えられています。
そういったことから、女の子の節句に飾るおひなさまは「雨水」に飾ると良縁に恵まれると言われています。
ひな人形を早く片付けないと婚期が遅れる?
「おひなさまは早くしまわないと、結婚が遅れてしまうよ」とよく言われます。
親にそう言われると、なんとなくそうだと思いあわてて片付けようと思ってしまいがちですが…この言われに伝統上の理屈はありません。
ただ、
- 片付けが遅い片付け下手な女の子=家事ができずお嫁に行けなくなるよ、というしつけの意味
- もともと厄を子どもの代わりに身に受けてくれるおひなさまなので、節句が過ぎたあと長く飾っておくべきではないという縁起の意味
- ひな壇が結婚式の体裁をとっていることから、おひなさまのように幸せな結婚をしてほしい(結婚=「片付く」)という願い
がこめられて、「早く片付けないと結婚が遅れる」といういわれにになったとされています。
そのため、信仰や縁起上、片付けるのが遅れれば本当に婚期が遅れると信じられていたわけではなく、親の教育や願いから、「早く片付ける」ことを求めていたわけですね。
晴れた日に子どもと一緒に片付けよう
<片付ける日のポイント>
- 晴れて乾燥した日にする
- 5日以降、昼間ゆっくり片付けられる日でOK
- 家族でひな人形に「ありがとう」の気持ちを込めて片付けよう
3月3日が終わったら即座に片付けなければ縁起が悪い/お嫁に行くのが遅れるというわけではありません。
ではいつ片付けることが慣例とされていたかというと、昔は
3月2日・・・宵節句(前夜祭みたいなもの)
3月3日・・・本節句
3月4日・・・送り節句(後夜祭みたいなもの)
この3日のお祭りを終え、4日におひなさまにお別れを告げてから5日にしまうというのが正式な風習であったようです。
一方、共働き世帯も増えた現代、平日におひなさまを片付けるというのは中々難儀なもの。
子どもの厄をおとしてくれ、健康を祝ってくれる大切なおひなさま。片付けるときも、「ありがとう」の気持ちをこめて子どもと一緒に大事に大事に仕舞いたいものです。
昔の慣習も4日を過ぎればお祭りも終わり、ということですから、5日以降、家族でゆっくり時間がとれる日を片付け日と決めれば十分だと思います。
また、片付けるときに一番注意しなければいけないのは「晴れている日」をねらうということです。
湿気が多い日に片付けると、水分を含んだまま密閉されるため、大切なおひなさまにカビや虫がつく原因となります。
片付けは、晴れて乾燥した昼間にしましょう。
片付けるとき、着物や木部分に虫がつかないよう防虫剤や防カビ剤を入れておくとおひなさまが長持ちします。
まとめ
<飾るタイミング>
- 飾るのは立春(2/4)以降~ひな祭りの1週間前くらいまで。家族でゆっくり時間がとれる日にしよう
- より良縁を担ぐのであれば、雨水の日(2/19)のいい時間帯に飾ろう
- 「一夜飾り」は避けよう
<しまうタイミング>
- 早く片付けないと婚期が遅れるわけではない。晴れて乾燥した昼間、「ありがとう」の気持ちをこめながら片付けよう
*ひなまつりの記事*
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