受験者数増加中の保育士試験の勉強方法。4か月独学一発合格したときに使った参考書・問題集など。
働く女性の増加に伴い保育園への需要が高まっていますが
待機児童の問題は中々解消のめどがたちません。
保育園の不足=保育士の不足ともいえます。
また、不幸にも実親のもとで育てられないお子さんについて
児童養護施設などでその養育にたずさわるのも、保育士という資格をもつ者です。
国も保育士の処遇改善に乗り出し、給与UPに直接つながるための補助金を支出するなど、「保育士」という資格に対する意識が少し変わってきたように思います。
そんな中、受験者数も合格者数も増加傾向にある保育士試験。
この記事では、人気が高まる保育士試験を独学合格するたえめの総論をつづりたいと思います。
保育士試験は難しい?
そもそも保育士になるためのメジャーな方法は
大学や専門学校等の保育士養成施設を卒業し自動的に資格を得ることです。
このような保育士養成施設に通わない場合に、保育士試験という国家試験に合格する必要があります。
国家試験といえど司法試験や公認会計士試験のような難関試験を想定するようなものではなく、愕然とするほど難しいものではありませんが
合格率は余裕を持てる高さではなく(こちらもご参照:保育士試験の合格率(倍率)は約2割!低い?高い?)、内容も一般常識をはるかに超えた専門的な知識を問われるため、特別な準備と勉強をしなければ受かる試験ではありません。
それもそのはず。
本来学校という場で数年かけて勉強し学科試験を受けて取得できる資格を、たった2日+実技の試験だけで取得するというのだから、相応のレベルを要求されてしかるべきです。
私自身はというと
大学で法律・行政を中心に勉強し、在学中あるいは就職後いくつかの国家試験を受験し合格をいただきましたが、保育士試験でこれらの知識が直接問題の正答に結び付いたものはほとんどありません(保育士試験でも法律問題はありますが、児童福祉法や教育基本法など、法学部では勉強しない法律ばかりです)。
そのため、保育士試験のための特別な勉強が必要でした。
一方、国家試験は何種類か経験し結果も出せたので、試験の種類に応じた効率的な勉強の仕方というものについては多少心得があるのではないかな…と勝手ながら思っています。
そんな私なりに、保育士試験という特質を踏まえてどのような勉強方法が適切か考えたことや、勉強のために使った問題集などを記載していきたいと思います。
保育士試験の特性
特性① 択一式
保育士試験は記述式ではなく択一式です。
5個の選択肢の中から1つ、正解を導き出せればOKです。
ということは、問題を見て答えが明確に分からなくとも
おそらくこれだろうという感覚や
これは絶対ないわという感覚があれば
2択くらいに絞ることが可能です。
あとは、2択から1択に選択できる知識と勘が養われていればOK。
そこで結論は
保育士試験の勉強にあたっては
答えは何か、を理解する勉強ではなく
答えはどれか
を選択肢から探し当てる勉強方法と過去問の解き方をするべきです。
特性② 全教科6割以上で合格
保育士試験は、1教科6割以上とれば合格です。
そのためすべての科目についてまんべんなく勉強する必要がありますが
6割以上というのは高いハードルではありません。
満点を目指す必要は全くないのです。
「捨てていい問題」があると認識し、確実に点数をとれる問題を8割おさえておけば、本番で6割以上とることが可能です。
特性③ 過去問がベースだが同じ問題はほとんどない
保育士試験は、出題範囲という意味では過去問がとても役に立ちますが、「この問題過去問の焼き直しだ!」というようなものはあまり見受けられません。
一方で過去問を分析すると、「保育士試験が好む傾向にある分野」には非常に偏りがあることが分ります。
単に問題集や過去問題集を解くだけでなく、自分で過去問を分析し、どの年度にどのような分野から出題されているかを一覧にまとめるなどすることで、自分が受ける年度には何が出題される可能性が高いかを予測することができます。
勉強方法
以上のとおり保育士試験の特性を踏まえたうえで、どのような勉強方法が効率的であるかご紹介します。
何度も申し上げますが、
保育士試験は
答えは何かではなく
答えはどれかを探し当てる試験です。
また、出題範囲は広く覚えるべきことは多岐にわたります。
そのため、細かい数値や名称を覚えていたらきりがなく、膨大な時間がかかります。
その問題に関する大枠の考え方の理解があれば、「この選択肢は違いそうだなあ」という感覚がはたらくはずです。
そこで私が4か月の間行った勉強の流れは
①まず参考書を1冊購入し大枠の知識をざっと入れる
②過去問を解きアウトプット。間違えた問題は参考書で確認
③過去問題集をもう一回まわし、このとき間違えた問題に付箋を貼っておく
④付箋が張られた問題をもう一度解く
⑤過去5年間の過去問を印刷(保育士試験機関HPから印刷できます)し、本番さながらに解く
⑥過去5年間で出題された問題の傾向を分析、自分が受ける年度にどの話題が問題に出そうか考えてみる
⑦直前にもう一度参考書をざっと見る
という感じです。
この勉強方法のねらいは、
- まず大枠の知識を頭に入れたうえで過去問を解く。
- 過去問題集を解くことで、保育士試験はどのような観点から問題を出すのかを把握する。
- 過去の過去問分析により、今年出そうな問題のねらいをさだめ、「6割以上」確実にとれる問題に的を絞る。
というものです。
全ての人がこの方法で合格できる!と豪語するものではありませんが、
【択一式+幅広い知識が問われる+6割以上で合格】という保育士試験の性質をとらえた効率的な勉強方法ではないかと考えています。
参考書と過去問問題集
私が利用した参考書・過去問題集はこちらです。
※貼ってあるリンクは2019年4月現在に出版されているものです。年度が変わり新版が発売されている場合もありますのでご注意ください。
◎保育士合格テキスト 上・下 (成美堂出版)
上巻と下巻の2冊です。
科目ごとに整理されています。
このテキストの利点は
- 保育士試験の出題傾向に沿って内容が掲載されていること
- 一定の項目が終わると練習問題がついているので、インプットしっぱなしではなくすぐにアウトプットでき、脳内に記憶が定着しやすくなっていること
- 毎年度テキストが更新され、法改正に対応していること
です。
私が受験した年度には児童福祉法の改正がありましたが、適切な情報が掲載されていためこのテキストのみ(プラスαでネットも見たりしましたが)で十分対応することができました。
◎過去問題集「保育士完全合格問題集(保育士試験対策委員会)」
問題数も十分あり、解説も充実しています。
この過去問題集のシリーズでのテキストもあるのですが、同じ編集者が作成した参考書と過去問だと知識が偏ってしまうかな?と懸念し、あえて参考書と過去問題集は異なる出版物ものを選びました。
保育士試験の勉強方法について、大枠を記載しました。
結論は、
「答えはどれか」を導く勉強方法が効果的であり、
その方法は参考書→ひたすら過去問
というものですが、やみくもに過去問を解いていても意味がありません。
過去問を解く際には「答えはどれか」を常に意識します。
その意識の仕方について、具体的な問題例を見ながら次の記事でご紹介したいと思います。
(保育士試験についてのご参考記事)