保育士試験で「答えはどれか」選択肢を絞る方法
子育て中ワーママが、平成30年度前期保育士試験を独学約4か月で一発合格することができました。
自分の試験勉強がお役に立てればと思い、保育士試験の勉強方法について記事にしています。
今回は
保育士試験を効率よく合格するための選択肢の選び方
についてつづりたいと思います。
「答えがわかる」必要はない!「答えはどれか」を選ぶ!
保育士試験は
- 1科目6割以上で合格(教育原理・社会的養護は両方6割以上要)
- 択一式
- 出題範囲が広い
という特徴があります。
※保育士試験の概要についてはこちら
そのため、出題される内容すべてについて、問われる内容に対して自分が明確な答えを用意する必要はありません。
選択肢の中に、ヒントが隠されているのです。
問題の出題意図や、出題内容の大まかな趣旨が分っていれば、
「この問題ならこの選択肢はまずないな」
とか
「この選択肢だけは正解っぽい記述だな」
とかいう感覚が芽生えてきます。
この感覚があれば、細かい知識がなくとも6割以上正解を得ることが難しくないと思います。
私自身、勉強期間が約4か月しかなかったので数値や名称を細やかに覚える時間はありませんでした。
そのため、ひたすらに過去問を解き、出題傾向を分析し、どのような選択肢が正解になるか身体に刻み込むような勉強をしました。
※約4か月独学勉強方法についてはこちら
試験結果点数
「答えはどれか」という視点で過去問を解き続けた結果、H30前期の試験を受けた私の筆記試験の結果はこちらです。
本番で6割とれるためには、過去問で常に8割以上とれなければならない
と心がけて過去問5年分位解いていましたが
本番でも8割以上とることができました。
このうち2割~3割は、
「答えは明確に分からないけど、この選択肢だったらこれが正解だろうな」
という感覚で答えたものです。
じゃあ具体的にはどうやって選択肢を選ぶの?
H30前期試験を具体例に見てみよう!
①「すべて」or「のみ」は、ほぼ誤りの選択肢
次の文は、幼児期の描画に関する記述である。不適切な記述を1つ選びなさい。
- 「スクリブル」は運動感覚的な楽しさに基づいて描かれることが多い。
- 「頭足人」表現は、頭と足だけでなく人物の全体的なイメージに基づいて描かれている。
- 「マンダラ」図形は、アジア地域の子ども達のみに出現する。
- 「基底線」は、地面や空などの空間的な関係を表している。
- 「展開図法」は、見えている現実ではなく、知っている事実をあらわす知的リアリズムと呼ばれることもある。
答えは ③です。
他の選択肢に関する知識がなくても、この記述をみて
マンダラはアジアの子どもだけのもの?
…世界中探せば欧米アフリカでもマンダラあるやろ!
と突っ込めればOKです。
「のみ」や「すべて」と言えるのは、確たる統計やエビデンスがあってこそです。
世の中の事象で一切の相違を許さない「すべて」や、他を排除する「のみ」といえることはそう多くありません。
そうであれば「すべて」とか「のみ」とか言える事象は有名な事柄が多く、我々は社会常識として知っています。
たとえば、「すべて日本人は義務教育の対象である」とか「成人のみが飲酒できる」とかですね。
なので、マニアックだったり曖昧な事象について「すべて」とか「のみ」とか出てきたら、まず怪しいと思っていいと思います。
ただし、確実に「すべて」「のみ」と言えるものについては、もちろん自信をもって〇としてくださいね。
②人名関係は選択肢にキーワードが入ってるものが〇
<H30前期 保育原理問4要約>
(A)~(C)にあてはまる語句の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
ドイツの教育者である(A)は、世界で最初の幼稚園(Kindergarten)の創設者である。主著である『人間の教育』(1826年)の中で、幼児期においては(B)がこの時期の子どもの最も美しい表れだと主張した。彼は、幼児のための遊具(Gabe)を考案したが、これは、明治時代になって(C)の編集した『幼稚園法二十遊嬉』等によってわが国に紹介された。
(組み合わせ)
1 (A)ルソー (B)遊び (C)中村正直
2 (A)フレーベル (B)作業 (C)近藤真琴
3 (A)ルソー (B)無垢 (C)関信三
4 (A)ロック (B)作業 (C)中村正直
5 (A)フレーベル (B)遊び (C)関信三
ここで選択肢絞りに必要なキーワードは、
「ドイツ」
「世界初の幼稚園の創設者」
です。
「ドイツ」だけだと、ルソーとフレーベルの選択肢があてはまりますが、「世界初幼稚園」というワードはフレーベル固有のものです。
「遊具」というキーワードもありますが、これを「恩物」としていないところが受験生を悩ますポイントであったかもしれません。ただ、ドイツと幼稚園だけでフレーベルは絞り出すことができ、選択肢も2と5に限られると思います。
フレーベルであると分かれば、(B)は迷いもなく「遊び」ですね。
フレーベルは教育の基盤を遊びに求め、そこに恩物という教具を取り入れたということは過去問でも頻出内容です。
これで、選択肢は5を導くことができます。
なので、フレーベルが『人間の教育』を記したことや、「関信三」という方が恩物を日本に紹介したかどうかについては知らなくても、この問いは正解できます(私も関信三という方を存じ上げておりませんでした‥)。
もちろん知っていればそれに越したことはありませんが、知らなくても慌てる問題ではないのです。
もう一つ、受験時に「なんじゃこりゃあ」と思いつつ、ただ1つのキーワードだけで答えを導いた問題がこちらです。
<H30前期 教育原理問4>
次の文の著者として正しいものを1つ選びなさい。
旧教育は、これを要約すれば、重力の中心が子どもたち以外にあるという一言につきる。重力の中心が、教師・教科書、その他どこであろうとよいが、とにかく子ども自身の直接の本能と活動以外のところにある。(中略)いまやわれわれの教育に到来しつつある変革は、重力の中心の移動である。それはコペルニクスによって天体の中心が地球から太陽に移されたときと同様の変革であり革命である、このたびは子どもが太陽となり、その周囲を教育の諸々のいとなみが回転する。子どもが中心であり、この中心のまわりに諸々のいとなみが組織される。
1 コメニウス
2 ルソー
3 デューイ
4 キルパトリック
5 フレーベル
重力?コペルニクス?
あかん・・わからんやつや
そこで、とりあえず選択肢にある人名のキーワードを書き出してみます。
実際に書き出したメモがこちらです
「子どもが中心」
このキーワードだけで、【3 デューイ】を選択しました。
「旧教育」への批判など、他の内容についての知識はまったくありません。
ルソーも子どもの自主性を重んじているような雰囲気があったので悩んだのですが、あえて「中心」という言葉を出している以上、デューイ一本に絞ってよいと思います。
ちょっと小難しく見える人名当てクイズも、キーワードだけ抽出することで正解肢にたどり着くことができます。問題内容の全ての知識を持つ必要はないのです。
出題者も、問題にヒントをちりばめています!
そのヒントをいかに拾い上げるかがカギ!
③問題文の矛盾・流れから読み解く
<H30前期 子どもの食と栄養問17>
次の文は、「楽しく食べられる子どもに~保育所における食育に関する指針~」(平成16年:厚生労働省>で掲げられている食育の目標の一部である。正しいものを〇、誤ったものを✖とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 食べ物を話題にする子ども
B 嫌いなもの、苦手なものがない子ども
C 3回の食事をきちんと食べる子ども
D 一緒に食べたい人がいる子ども
(組み合わせ)
1 A〇B〇C〇D✖
2 A〇B〇C✖D✖
3 A〇B✖C✖D〇
4 A✖B〇C〇D✖
5 A✖B✖C✖D〇
「食育の目標として正しいもの」を選ぶというものなので、どれも子どもにとっては大切なような気もします。
そこで問題文をよく見てみると、選択肢の出典根拠の題名に
「楽しく食べられるこどもに~・・」
とあります。
つまり、「楽しく食べられる」という食育の目的にかなったものを選べばいいということになります。
B,Cは、大人であれば理想の食事形態ではありますが、子どもが嫌いなものを無理して食べたり、3回食事のムラを許されずきちんと食べることを強要されると考えると、とても「楽しく食べる」とは言えません。
そこで、正解は3となります。
このように、設題の食育指針の知識がなくとも、問題文だけで解けてしまう問題もあります。
保育士試験、一瞬「捨て問」と思われるような問題でも、キーワードを抽出したりヒントに気づくことで、正解にたどりつけるものもあります。
問題をみて、自力で答えを思い浮かぶ必要はありません。
設問から答えを選び出せる力が養われれば、6割とることは可能です!
ご参考になれば幸いです。
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