ママモスタディ

ひらがなを子どもが自然に覚える方法。子どもが文字に興味を持ち始めたら環境と遊びを提供しよう

 

未就学児、特に3~4歳ころまでは、同じ学年といえど月齢の差による成長の開きが大きいので

「えっあのお友達もう平仮名読めるの?」

なんて驚くこともあります。

 

 

ただ

 

自分が福祉分野の仕事で多くの子どもと触れ合った経験、自分の子どもや親戚の子どもを見てきた事例から

言葉を話すのが早い=かしこい

文字を覚えるのが早い=かしこい

という図式は必ずしも真ではないと思っています。

 

子どもの脳は柔軟なので、幼少期の「できる」「できない」はご両親の熱心さとパラレルだったりします(もちろんそうでない場合もあります)。

 

そのため、ただ漠然と「早く平仮名を覚えたほうがいい」という視点から子どもに平仮名を教える、という考えには個人的に賛同できません。

 

一方で、平仮名を覚えると子どもにもメリットがあると考えています。

 

そこで、子どもが無理なく自然に文字に触れ合い、そのメリットを受けることができる方法について、実体験も踏まえてご紹介したいと思います。

 ※あくまで子どもが楽しんで文字に触れ合うことを目的とするものです。平仮名を必ず覚えるという効果を保証するものではありません。

 

ひらがな(文字)を覚える子どものメリット

理解できる範囲が広がり、物事に対する好奇心が増す

 文字を覚えることができると、生活圏にある事象のより多くを理解できるようになります。

たとえば

  • 道路標識に「とまれ」と書いてあったとき、親に言われずともそこは止まるべき場所であることが認識できます。
  • 飲食店に行ったとき簡単なメニューを見て読むことができ、自分で選び表現することができるようになります。
  • お魚屋さんで魚の表示を見ながら、「これはさば・・・これはあじ・・・」など、自分で魚を見て名前を理解します。そうすると、「きょうのお魚はなんて名前なの」なんて質問も出てくるかもしれません。

生活にあふれる物事を、音だけでなく識字で理解するということは、自ら情報を入力する範囲が格段に広がるということです。

情報の引き出しが広がれば、それだけ周りの物事に対する好奇心も高まります。

 

想像力が豊かになる

自分で文字を認識できるようになると、親に頼らず理解することができる範囲が広くなります。

そうすると、簡単な絵本などは自分で読むことができます。

誰に入れられる情報でもない、自分だけで入力する情報です。

そこには親やほかの人の感受性は入りません。

もちろんこの時期、親子で絵本を読み聞かせ、お互いの親密性や感情を豊かにすることのほうが大切です。

一方で、先入観のない自分だけで入力した情報は、自分の力で想像を膨らませるのに最適なものです。

徐々に自立した情報の入力範囲が広まっていくことで、好奇心と同時に想像力も豊かになっていくことが見込まれます。

 

親との対話が深まる

 子どもの理解する範囲が広がれば、親もその理解を前提に会話できる範囲が広がります。

言葉を話せるようになって、グンと会話内容も広がったのと同じです。

また、たとえば「今日何日だったっけ!?」「3ってかいてあるよ」など

子どもに頼ることができる範囲も広がります。

子どもも、自分ができるようになった識字で、親に頼られるということが自信になり、親子間でもいい循環が産まれてくることでしょう。

 

それでは、我が家で子どもに人気だったひらがなの学習方法についてご紹介します。

 

①ポスターを貼る

定番ですね!

ひらがなポスターは多くの種類があります。

書き順も表示してあるものから、お風呂に貼れるものまで…

ただ、やみくもに貼っても効果は見込めません。

我が家ではお風呂にも貼りましたが、お風呂はもともと子どもにとって魅力的な遊び場。

水があるというだけで、おままごとから水遊びから…工夫を凝らせば親子で楽しめることがたくさん。

それなのにその時間を平仮名勉強に使うなんてもったいないなあ…と思い、お風呂に貼るのは止めにしました。

そこで目を付けたのがトイレ

トイレを始めたばかりだと、結構トイレ滞在時間が長かったり回数も多かったりします。その間の時間、ふと目をやれば平仮名と絵があると、子どもも興味を持って見入ったりします。

平仮名はさておき絵の表示があることで、子ども自身もトイレ時間が楽しくなり一石二鳥。

我が家では、長女は食べ物や生活用品、次女は乗り物に興味があったため、それぞれの時期にそれぞれ好きなポスターをトイレに張りました。

2人とも喜んで見入っていましたのでご紹介します(見入りすぎてトイレ時間が長くなりました…)。

<食べ物・生活 >

<乗り物>

②おえかきボードで好きな単語から覚える

子どもは、単調に「これは【あ】、これは【い】・・」と教えていってもすぐに興味を失い脱線してしまうかもしれません。

でも、子どもにアンパンマンの絵を描いてあげると大喜びしたご経験はありませんか?

それと同じように、子どもが好きな単語をいいながら文字を書いてあげることを繰り返します。

「ばなな」の字書きながら「ばーなーなー」と言いつつ、横にバナナの絵も描いてあげたらなお喜びます。

我が家で姉妹に人気だった単語は、「家族の名前」です。

「おじいちゃん」「おばあちゃん」なんかも喜び、親戚関係の名前が入っている平仮名は早々に覚えていました。

読めないであろう名前を書いているだけなのに…愛着ある人の名前は特別な存在なんですね。

ちなみに複数単語を何回も書きたいので、ウチは紙ではなくこちらを使っていました。

 

ひらがな練習シートもついているので、子どもが自分で文字を書くようになった時も使えます。

ペンが六角形で持ちやすいので、それも選んだ理由の1つです。

携帯アプリを使って、自分が描いた絵を動画にすることもできるので、結構年齢が大きくなっても使えます。異年齢のきょうだいがいる場合にも上の子も下の子もそれぞれの使い方で楽しめます。

 

③あいうえお絵本を読む

「あいうえお」表を絵本にしているものは数多くあります。

これを子どもと一緒に読んで、親子で楽しく平仮名に触れていくのも方法の1つです。

ただ、あまり単調に「あいうえお」が描かれているだけだと子どもも興味を持てないので、どんな絵本を選ぶかが重要です。

2人の子どもが気に入り、よく読んだ絵本をご紹介します。

 

ことばあそびレストラン

 ひらがな50音について、それぞれが頭にくる単語をつなげ

とっっても可愛くて美味しそうな絵といっしょに紹介されているものです。

例えば

つは みのり っとうごはん」

ろっけ ろんで ろころころがる」

など、大人もその絵と面白い表現に引き込まれます。

子どももキャッキャッ笑いながら楽しんでいました。

 

あいうえおりょうり めしあがれ

 

おいしそうなお料理が文字になって調理されている様子がおもしろいです。

ばらばらの文字をお料理に仕上げていくので、子どもと「これは何の料理かな」なんて当てっこできます。
ひらがなに慣れてきたころおすすめです。
 
 

姉妹が平仮名を覚えるころにハマっているキャラクターもの(プリンセスやプリキュアなど)の「あいうえお絵本」もありました。

絵本としては好きだったようですが、それで文字に意識づけはなされていなかったようです。おそらく、大好きなキャラクターに目が行って平仮名はそっちのけ・・・だったのかな?

それはそれで、絵本自体を気に入ってくれてよかったとは思うのですが、この記事の趣旨とはズレてしまうので紹介を控えます^^;

 

④あいうえおパズルを楽しむ

子どもがパズルに手慣れてくると、あいうえおパズルを用意してみるというのも楽しいです。

長女は特にアンパンマンのあいうえおパズルが大好きで、毎日のようにせがまれました。おかげでレアキャラも覚えました。

 

次女は現在ディズニーひらがなパズルにハマり中です。

お子様の好きなキャラクターや絵などに合わせるのがお勧めです。

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商品選びのポイントは、

  • 「あかさたなはまやらわ」の段ごとにきれいに一列になっていること
  • 絵と文字のバランスがとれいていること(絵・文字の大きさが偏っていない)

です。

パズルの並びが複雑だと、そちらに集中してひらがなそっちのけです。

また、1列にきれいに並んでいれば、親がまず「あいうえお」だけの5個のピースを集めておいて、さあ「あいうえお」を並べてみよう、次は「かきくけこ」を並べてみよう、と段ごとに進めていくことが可能で子どもも馴染みやすいです。

 

⑤日常生活でひらがなを当てっこする

街を歩けば、 ひらがなはありふれています。

看板、標識、ポスター、お店のメニュー表・・・

その中でもおススメなのは、車のナンバーです。車のナンバーには必ずひらがなが1つ表記されています。

歩きながら駐車中の車を見て「この車の字はなんだろね~?」と当てっこします。

乗車中、「前の車の字はなんだろね~?」と当てっこしながらドライブします。

何気ない外出の中に、子どもと楽しむゲーム材料が多く埋もれています。

いつもの道に、少し立ち止まって小さな楽しみを探してみてください。

 

注意すべき点

創造性も含めたバランスある発達を促す視点が必要

「ひらがなを読める」ことは、客観的に成果が表れるものであり、子どもの成長の評価指標として簡易です。

そのため、その成果を求めがちになり、言語分野の発達に力をいれたくなってしまうのが親の性だと思います。

一方で、「創造性」の脳の発達領域は、「言語分野」とは異なる場所です。

幼少期に創造性や観察力を鍛えることは、言語分野に匹敵するくらい(私自身はそれ以上と感じています)重要なことだと考えています。

そのため、目に見えにくい「創造性」を豊かにするための働きかけを、忘れがちになってしまわないよう注意が必要です。

 

識字が早ければ早いほどいいわけではない

もちろん早く覚えられる子どもに、相応の働きかけを行うことは有意義だと思いますが、「お友達が覚えているからこの子も」というような、その子自身の発達に合わせたものではない働きかけはタブーだと考えます。

上述のとおり、幼少期には創造性や観察力、感受性を豊かにするのに大切な時期で、目に見える言語の発達に偏ることがいいとは言いきれません。

また、脳は「楽しい」「嬉しい」と幸福・快感を感じているとき、神経伝達物質であるドーパミンが多く分泌され、より効果的に学習することができます。

平仮名に限ったことではありませんが、子どもが自主的に学習することがその習得に一番必要な要素です。

子どもに文字を提示しても興味を示さないときは、まだ時期ではないと考え

子どもが文字に興味を示し、自然に習得しようとしているとき、親はその手助けをしてあげる というような感覚で、ゆったりした気持ちで向き合えたらと思います。

 

楽しく平仮名を覚えることで、生活の好奇心・想像力を豊かにし、親子とのコミュニケーションも密になっていくといういい効果が得られればと思います。