ママモスタディ

私が保育士試験をおススメする理由

筆者は2児出産後、保育士試験に関心をもち受験し合格をいただきました。

 

f:id:studym:20181122032719p:plain

子どもを産み育てていると、世の中には「子育て」に関する資格が色々ある!

これにご興味を持たれているママも多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

私は数ある資格の中から、「保育士試験」と「リトミック」に関心を持ちました。

今回は「保育士試験」についてですが、

  • なぜ私が保育士試験を受験しようと思ったのか?
  • 子育てママに保育士試験をおススメする理由

について、綴りたいと思います。

 

 

1.保育士とは?/保育士試験の概要・難易度

「保育士」とは?

① 国家資格 

保育士は、児童福祉法で定められた国家資格であり、「名称独占」の資格です。

「名称独占」って何?というところですが、要は保育士免許を持っていない人が自分を「保育士」と名乗ってはいけないということです。

保育士でない者が「自分は保育士です」と称した場合

 …30万円以下の罰金!に処せられます。

保育士さんって身近ですからね。

第三者から見れば保育園で働いている方すべてが保育士さんに見えるのですが、保育園の中には保育士資格をもたず補助で入っていられる方もいて(もちろん適法)、その場合には「保育士」と名乗っちゃいけないんですね。罰金まで求められることにびっくりでした。

認可保育園には「保育士」を一定水準配置することが義務付けられています。なので、一定の知識と技術をもった「保育士」と名乗れる者が居ないと、認可保育園として運営できなくなってしまう。保育士の専門性は、保育園を運営するうえでの超基本的な重要ファクターであるということですね。

 

② 保育士の資格内容と義務

児童福祉法で定める保育士の資格内容と義務の概略はこんな感じです。

  • 保育士とは、「保育士」という名称を使い、専門的知識と技術をもって児童を保育し、児童の保護者に対して保育に関する指導を行う者のこと。
  • 保育士は、その信用を傷つけるような行為をしてはならない。
  • 保育士は、辞めた後でも、仕事上知りえた人の秘密を漏らしてはならない。

 保育士の仕事は子どもと向き合うことだけではないんですね。

子どもにとって一番の関係者は保護者。その保護者が適切に子育てをできるよう、保護者を援助する役割も法律で求められています。

そして保育士は、子どもにとっても保護者にとっても「信頼できる人間」であることが基本!「この人に預けてだいじょうぶかな?」なんて人間に大切な子どもをお任せすることはできません。

また、保護者からの相談を受けたり子どもと接したりする中、その家庭の深い内情について知ることも多々あると思います。その内情は、たとえ保育士を辞めた後であっても口外してはダメ!当たり前の話ですが。

なので、「信用を落とす行為はダメ」ということと「秘密を漏らしてはダメ」という義務が求められています。これにも罰則があります。

保育士、法律に裏付けされた責任ある資格ですね。

 

③ 働く場所

保育園がまず思い浮かびますが‥

保育士さんが働く場所は保育園だけではありません。

特に今は、共働き世帯の増加で幼児だけでなく小学校以上のお子さんについても家庭の外で過ごす時間が増えたことから

保育士として働く機会は多種多様・増加傾向です。

  • 学童(放課後児童クラブ)
  • 認定こども園
  • 企業内保育
  • 保育ママ(家庭的保育)
  • 児童館
  • 児童養護施設や乳児院などの児童福祉施設

などなど・・・。

そのほかにも、レストラン飲食店や建物モデルルームなどで、「お子様を一時的に預かります」という場合には保育士が必要ですし、探してみると色々な場面で需要があります。

 

Sponsored Links

 

 

保育士試験の概要

現在、保育士試験は年に2回行われています。

ここ数年だと4月と10月です。

試験は筆記試験実技試験に分けて行われ、筆記が受かった人だけが実技試験を受けることができます。

 

① 筆記試験

  • 保育の心理学
  • 保育原理
  • 児童家庭福祉
  • 社会福祉
  • 教育原理
  • 社会的養護
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

の9科目について、すべて合格(満点の6割正解で合格)する必要があります。

多いです。。私も「9科目かー。多いなー」と思いつつ勉強し試験を受けていました。

でも一部科目で重複する内容もあります。

ちなみに筆記試験は2日にかけて行われます。

なお、一度6割以上とり合格した科目については、原則3年間有効です(教育原理と社会的養護についてのみ、1度の受験でどちらも合格しなければ、再度2つとも受験する必要があります)。

 

② 実技試験

実技試験は、筆記試験が受かった人に対して行われます。

ここ数年だと筆記試験の2か月程度後に行われています。

実技試験は、下の3つの中から2つを選択し、それぞれ満点の6割以上の点数をもらえた場合に合格となります。

  • 音楽表現に関する技術…ピアノ等の弾き歌い
  • 造形表現に関する技術…会場でお題が指定され、その絵を描く
  • 言語表現に関する技術…おはなしの読み聞かせ(暗記)

音楽と造形については事前に課題(曲名・お話名)が出されていますが、造形については試験当日にお題条件が出されます。

 

保育士試験の難易度(合格率)

筆記・実技合わせて公表されているデータ上

保育士試験の合格率は、

だいたい2割程度

という感じ。

この数字を見ると、低いなあと思われるでしょうか。

平成29年度の試験では、62,555人の受験者中13,511人が合格(合格率21.6%)だったそうです。

でもこの数字を鵜呑みする必要はなく、実際にはもう少し合格率は高いのではないかと思います。

なぜかというと、受験者数は1年のうち2回の試験の延べ人数(2回どっちも受けてる人は2名分カウントされている)であるのに対して

合格者数は実数「1人格=1名」でカウントしているからです。

なので、私は、

100人受けてたら30人~40人は受かるんじゃない?よしよし!(数字に根拠ありません)

と自分に言い聞かせていました。

ネット上では「保育士試験は難関」と記載されていることが多いですが、

実質的な倍率は公表されているわけではないし

問題も一般常識からかけ離れたものが多く出題されるわけではないので

手が出せない試験!ではないと思います。

合格率についての詳細は、こちらのページ【保育士試験の合格率(倍率)は2割!低い?高い?】もご参照ください。

 

2.なぜ私が保育士試験を受験しようと思ったのか?

理由は3つです。

  • 保育の勉強をしたかったから
  • 自分のスキルにして仕事につなげたいから
  • 現在通ってる園の保育士さんに助けられているから

保育の勉強をしたかったから

世の中のお母さま方、子育てに悩みは尽きずその内容も十人十色だと思います。

私もその1人で、

うちの長女は、人見知りの激しい子でした。

イヤイヤ期も中々のものでした。

とにかく寝ませんでした(今も寝ません)。

次女が産まれたときの赤ちゃん返りも破壊力がありました。

 

とにかく、成長段階において「どうすればいいんだろう‥」と壁にぶち当たることばかり。

その都度、育児書やネットの情報を漁って自分はどうすればいいのか模索していました。

 

例えば、次女が産まれたときの長女の赤ちゃん返りがひどく

うちでも外でもずーっと抱っこの状態が続きました

背中に次女、前に長女という態勢で外を歩くことがほとんど

 

これ…ずっとこのままなん?

という疑問をぬぐえず

色々情報を漁りましたが、どこにも共通して記載されているのは

「赤ちゃん返りは受け止めてあげましょう」という言葉。

そして「下の子が泣いてもまず上の子を」といいう「上の子優先」理論。

 

「そうすれば上の子も次第に下の子に譲るようになる」という言葉を信じたものの

むしろ調子づく感じで、長女は「自分は必ず1番先」という意識が強くなるばかり‥

 

本当にこれでいいのか?

という疑問から

 

「小手先の情報にとらわれるのはやめよう。

きちんと子どもの心理を勉強して、子どもと真正面から向き合おう」

 

そう決意し、保育心理学に手を出しました。

それが、保育士試験を知ることになったきっかけです。

保育士試験では、子どもの心理や成長発達の学問についての知識が問われます。

また、子どもを取り巻く社会的な制度(保育園や幼稚園の制度、子育て支援事業など)についても出題されるため、それも保育士試験の勉強において知ることができます。

 

保育士試験の出題内容は、まさに幼少期の子育てパパママにとって役に立つことばかりです。

そして勉強することで資格も手に入る…!

 

 

自分のスキルにして仕事につなげたいから

私は現在仕事をしていますが、保育とは全く関係のない会社に勤めています。

子どもを産むまでは、今の会社に定年まで勤めていくものと思っていましたが、2人目出産後少し価値観が変わってきました。

何が起こるかわからない時代、安定した職業もない時代、いま私は会社を辞めてしまえばただの人です。

でも、専門性のある「技術」や「資格」を持っている場合、自分の活躍できる場はぱっと広がります。

一般の人にとって、専門家の技術や知識・経験談は知りたいものだからです。

しかも「子育て」という経験は自分に子どもがいないとできないもの。世の中のパパママが当たり前のようにこなしているものの、実際やってみると悩みや苦労の絶えないもの。

その「子育て」を「自分の子どもを育てる」ことだけで終わらせず、今後子育てをしていくパパママにとって役に立つ形で発信することができたら、そんなに嬉しいことはない!

 

そう考え、「子育て」を将来の自分の仕事にしていきたいと思いました。

そのためには、客観的に「この人なら子育てについて相談できそうだな」と思われるようなスキルと、子育てに関する専門性が必要です。

そこで、保育のプロフェッショナルである保育士の資格取得を目指しました。

 

 

現在通ってる園の保育士さんに助けられているから

 現在うちの子供が通わせていただいている保育園は、園児30人ちょっと程度の小規模な保育園です。
もともと3人のお子さんを育てながら働いていた園長先生が「これから活躍する女性のために、そのお子さんを安心して預けられるような家庭的な園を作りたい!」と高い志をもって開園された園であるため、雰囲気が暖かくアットホームな園です。
 
そのため保育士の先生も
「子ども1人1人と向き合う」ことと
「保護者を支援する」ことに対する意識がとても強くていらっしゃいます。
 
子どものことで保護者がちょっと悩みをお話すると
手を止めて真剣に聞いてくれ、アドバイスをくれ、子どもにも注意を払ってくれます。
まさに保育士の定義である専門的知識と技術をもって児童を保育し、児童の保護者に対して保育に関する指導を行う者という感じです。
子どものこともよく見て理解してくれ、
箸の持ち方から着替えの畳み方まで1つ1つ丁寧に教えてくれ…本当に「保育士の先生と二人三脚で子育てをしている」といっても良いくらいです(先生の方がパパより子どものこと理解しているかも‥涙)。
そして思い出深いのは、私が連絡ノートで悩みを少し書いたとき
「お母さんいつも早くにお迎え来ていただいてますが、たまにはお迎えの時間を少し遅らせて、その間お茶など休息とっていただいてOKですよ!お子さんのことは私たちにお任せください」
とお返事をいただいたことです。
そんなに深刻な悩みを書いたわけではなかったのですが、心の中ではだいぶ疲労がたまっていたときだったのでそのお返事をみて涙が出てきました。
「お母さんの笑顔が子どもを明るくする。私たちはお母さんの笑顔も支援したい」という気持ちがあふれている、とても素晴らしい保育士さんにお世話になっています。
 
それも、私が保育士試験を受けた大きな理由の1つです。
 
今は核家族が多く、働く世帯も多く、
「近所のおばちゃんに子育て手伝ってもらう」みたいな状況は希薄です。
その分親は孤立しやすく、子育てについて親身に相談できる人や場所が確保されていません。
そんな時代だからこそ、保育士の使命の1つである【保護者に対する保育のアドバイザー】としての役割が大きな意味をもってくるのではないかと思います。
 
その点、私はいま園の保育士の先生から余りある支援をいただいています。
同じように、これから子育てしていく人に少しでもその負担を軽くできる支援をしたい。その思いが、保育士試験受験を後押ししました。
 
 

 

 

4.子育てママに保育士試験をおススメする理由

 

自分の子育ての役に立つ!

さんざん前述してますのでもうしつこいかと思いますが、

保育士試験の内容は現在の子育てに直結する内容です!

  • 子どもの心理学
  • 成長、発達
  • 子どもの病気
  • 食事の内容
  • 子育て支援の社会的制度
  • +αで子どもと遊ぶ技術の知識(絵の技法、色に関する知識、子どもに親しまれる絵本など‥)

などなど。

知識を手に入れることで、子どもへの対応も変わってきます。

たとえば、

字を読める・書ける、上手な絵を描ける…

成長する個々の場面で周りの子と比べて焦ったりする場面もありますが、自分が子どもの発達と学習についての理論を勉強することで、「ああ発達はこういう原理なんだな。それならうちの子には今はこう対応すればいいんだな」と心の余裕をもって接することもできるようになったと思います(それでも万事うまくはいきませんが^^;)

 

一度取った永久!再就職・転職に便利

保育士の資格は現在更新などがなく、一度とったら欠格自由に当たらない限り永久です。(欠格事由:一定の刑罰を受けた者など)

子育てが大変な時期は仕事はセーブしたいけど、子どもの手が離れたら自分のスキルと好きなことを生かして仕事をしたい!

資格があれば、その願いをかなえることができます。

しかも今保育士の需要は高く、国からの補助も出て給料UPも行われています。

今後子どもが減るとはいえ、ますます働く女性が増えるであろうことを考えれば、保育士に対する需要は急に減ることはないのではないかなあと思います。

その意味でも、再就職や転職に有利な資格です。

 

自分の経験を生かして働ける

子育てって世の中たくさんの人がやってます。

だから簡単にできる、というものではないですよね。

新生児期の悩み、幼児期の悩み、学童期の悩み、思春期の悩み…

子どもの成長に合わせて次々と訪れる悩み。

親も自分の時間や生活なんてさて置いて、子どもを中心に動いていかなければいけません。

それが独身時代に比べたらどんなにストレスなことか。

自分の意志で産み、大変さをはるかに上回る幸福を子どもからもらえるという意味では

「ストレス」なんて言ったらいけないのかもしれませんが、それでも順風満帆にすべてうまくいく子育て!なんてものはないと思います。

 

みんながそうだからこそ、ご自身の経験が今後の子育て世帯にとって助けになるのではないでしょうか。

並みの努力では終えられない子育て経験。これから子育てする人にとっては貴重な経験です。

そして自分の経験が社会の役に立てたら、やりがいに満ち満ちた仕事になります。

自分の経験を社会に還元しつつ、子育てを仕事にする。

保育士資格はそれが可能です。