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保育士試験実技試験の準備【造形】

保育士実技試験について、今回は造形に特化して記載します。

※実技試験の概論と音楽・言語の準備についてはこちらもご覧ください

→ 保育士試験実技試験の準備【概論・音楽・言語】 - ママモスタディ

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「人前で弾く」「人前で話す」という緊張感を避け、「選択課題のうち1つは造形にしよう」と考えられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

筆者もその1人です。

 

筆者は【音楽】と【造形】を選択し受験しました。

【音楽】は、小さいころからピアノを習っていて弾き歌いも好きだったので迷うことなく選択しました。

さてあと1つ何にしようかといったときに

1つは弾き歌い選択したし、もう1つは緊張せずにできるものにしよう

という消極的な理由から【造形】を選びました。

また、絵を描くことも好きで自分では得意だと過信していたので

さらっと過去の傾向をみればなんとかできるかな、くらいの意識しかありませんでした。

ところが蓋を開ければその考えは大間違い。

音楽よりよほど準備が必要な科目でした。

そんな造形表現の概略・攻略法について以下みていきたいと思います。

 

 

 

造形の指定要件

造形の指定要件(平成30年度現在)はこちらです。

  • 色塗りは色鉛筆(12~24色程度)
  • クレヨン・パス・マーカーペン等は使用不可
  • 試験当日に示される問題文で設定された保育の一場面を、条件を満たして表現する
  • 試験時間は45分
  • 絵を描く枠の大きさは縦横19センチ
  • 枠内全体を色鉛筆で塗ること(白いところは残しちゃダメ)

※枠内全体色塗りしてくださいというのは、試験当日の問題文の条件に記載されています。

 

さらに造形の試験で「求められる力」は

保育士として必要な造形表現(情景及び人物等の描写や色使いなど)ができること

とされています。

そこで評価を上げるために必要と考えられる要件はこちらです。

  • 明るい表情の人物を描くこと
  • 色合いが暗くならないこと、似た色ばかり使わないこと

 

要件を満たした絵を落ち着いて描けばいいだけではあるのですが

重要なのは時間です。

45分、とっても短いです。

指定枠内すべてを色づけるだけでもかなりの時間がかかります。

そこで、単に絵を描くだけと侮ることなく、45分という限られた時間の中でいかに効率的に要件を満たした絵を描けるかということが重要課題になります。

 

おススメする筆記具(色鉛筆)

造形表現の試験は、筆記具がその勝敗を分けるといっても過言ではありません。

なぜなら

  • 指定要件は細かく、全部満たすように描いてると時間がない
  • 限られた時間の中でより加点されやすい細かい絵を描写するには、使いやすく発色がよい滑らかな色鉛筆を選ぶのがベター

であるからです。

 色鉛筆の種類は?

種類はいろいろネットでの皆さんの声などを参考にして、

トンボのカラーペンシルズにしました。

三菱やほかの外国製品などをおススメする声もあったのですが、一番滑らかで色も濃くでやすかったと感じています。

 12色にすべきか24色にすべきか

これは悩みどころだと思います。

【12色のメリット・デメリット】

  • (+)試験会場の机の自分のスペースは結構狭いので、色鉛筆の本数が少ない方が絵を描くスペースが広くとれやすい。
  • (+)少な目の本数の方が、限られた時間の中で瞬時に色を判別し選択しやすい。
  • (-)細かい色の描写が出しにくい
  • (-)使える色が少ないため、人物の服や背景に同じ色を使うことが多くなり配色に悩みが出る

【24色のメリット・デメリット】

  • (+)色が多様のため配色がかぶりにくく、色決めに要する時間が短くて済む
  • (+)鮮やかな色合いを出せるため絵自体が華やかで明るくなりやすい
  • (-)狭い机にスペースがかさばる
  • (-)色が多くあるゆえに例えばどれが「茶色」か「こげ茶」かを瞬時に見分けるのが難しく、色の選択に時間を要したり誤りが生じる場合がある

こんなところではないかと思いますが、結果筆者は24色を選びました。

一度12色を使って練習をしてみたものの

色が多様であるほど色彩豊かなものになるので、24色とは見栄えが違うという点と

色鉛筆が多くて間違えやすくなるデメリットについては、色の並べ方(よく使うものとそうでないものを分ける)によって解消することができたからです。

机のスペースについては、広くするために鉛筆を立てた筆箱にいれている方も何人か見られましたが私はこれをしませんでした。

理由は、色鉛筆が選びにくいから(色が瞬時に見分けられないから)です。やはり色鉛筆の見分け速度を上げるためには、自分なりの色鉛筆の横並び順を決めることが一番効果的です。

 

描き方‥下書き・輪郭は要?不要?

これも好みによると思いますが、筆者は下書きをし、輪郭も引きました。

これも「しなければ点数がつかない」とかいうものはないと思いますが、個人の印象として

  • 下書きをした方がバランスのとれた絵が描けるし修正もいらなくて済むので結果的に時間短縮になる
  • 輪郭を引いた方が絵が映える

と考えています。

それぞれ消す手間を省きたいので、下書きは肌色で薄ーく雑に描きました。肌色であれば、その上からほかの色を塗ってしまえばわかりません。

輪郭についてはこげ茶でつけました。でも色鉛筆のこげ茶は消しゴムで跡が残ってしまうのでわざわざこげ茶色の「消せる色鉛筆」を購入して使っていたのですが

試験当日

この「消せる色鉛筆」が

「消せない色鉛筆」に…。

おそらく、試験当日に配布される描写用の用紙の材質(ケント紙)によるものと思われます。

練習中は一般で売られているコピー用紙を使用していたのですが、このときはもちろん「色鉛筆は消せず、消せる色鉛筆は消しゴムで消える」という状態でした。

試験当日、ケント紙に書いてみると

「色鉛筆は消しゴムで綺麗に消え、消せる色鉛筆が消えない」

という状況になりました。

一瞬慌てましたが、じゃあ普通に色鉛筆で描いて間違えたら消せばいいんじゃないかと気づき、「消せる色鉛筆」は全く活躍しませんでした。

 

ですので、「消せる色鉛筆」を購入し輪郭や下書きに使おうと思っていらっしゃる方は、もし本番で使用して消せなかったとしても慌てるべからず!ふつうにこげ茶の色鉛筆を使いましょう。

→ただし、色鉛筆によっては消せないものもあると思われますので注意してください!やはりいずれの色鉛筆にせよはじめは薄ーく描いてみて、消せるか試すのがベターですね。

 

 

過去の出題例を分析する

造形の準備に必要なのは、過去問の分析です。

なぜなら問題文は当日指定されるので、過去問を見て受験年度の問題を推測する必要があるからです。

何度も申し上げますが、造形試験は時間がありません。

なので、ある程度試験の予測をたて、問題文を見たらすぐに下書きが描けるよう練習しておく必要があります。

過去の事例を分析するにあたっては、試験実施機関の公式HPでは公表されていないため、個人で作成なさっているサイトを参考にさせていただきました。

動物園への遠足、ケンカからの仲直り、にらめっこ、みずたまりで遊んでいる様子などいろいろなシチュエーションで出題されているようです。

ちなみに筆者が受験した平成30年度前期試験の造形問題文はこちらでした。

<問題>

【事例】を読み、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。

 【事例】

 H保育所のお誕生日会で、1歳になった子どもたちのお祝いをしています。きれいに飾り付けられた保育室で5歳児クラスの子供たちがプレゼントをあげたり、歌を歌ったりするなど楽しく過ごしています。

 【条件】

  1. お祝いをしている様子が分かるように描くこと。
  2. 保育室の様子がわかるように描くこと。
  3. お祝いをしている子ども、お祝いをされている子ども、保育士をそれぞれ1名以上描くこと。
  4. 枠内全体を色鉛筆で着彩すること。

 このように、保育の具体的な場面を描写します。

 

過去の事例では、ほかの年度と似通ったものはあるものの「〇年度の出題と全く同じ場面」について出題されたことはないようです。

ですので、過去の事例を見ながら「今年は何が出題されそうか」を自分で考え、それについて事前に45分の時間内で描いてみるという練習が必要です。

 

筆者の練習例

過去の問題では保育園の室内の場面と外での場面とが出題されているので、いずれの場面も想定します。

筆者が練習絵を描いた題材は以下のとおりです。

 

【室内】

  • 登園風景
  • お遊戯会の練習風景
  • 防災訓練(地震)
  • 身体測定
  • お正月遊び
  • 歯磨きをしているところ
  • 絵本の読み聞かせ

【戸外】

  • 公園での外遊び(遊具)
  • 芋ほり遠足
  • 水遊び
  • 公園で虫取り
  • どろんこ遊び
  • 運動会
  • 植物を育てているところ

実際に出題された誕生日会については、練習していませんでした。

「飾り付け描くのも大変だし、なにより人物の数が多くなりそうだから出ないのではないか」と過信していたのです。

しかもほかの事例で想定して練習していた子どもはいずれも5歳だったので、1歳の指定が出たときにはちょっと慌てましたが…

それでも、「保育室内」の装飾や風景については何度も練習していたので、スムーズに描くことができました。

ピッタリの事例が出なくても、何個か絵をかいておくことで「窓だったらこう描く、遊具だったらこう描く、人物のポーズはこう描く」といった引き出しができて、時間短縮になります。

また、人物の洋服の配色については決めておいた方がいいです。

「保育士はピンクと赤、男の子は緑と青」など。

配色を決めるのも意外に時間がかかり、その場で慌てる要因になったりします。

 

以上を踏まえて筆者が練習で作成した絵を、恥ずかしながら添付します。

この程度の絵で47点いただけたので、必要なのは技量ではなく「絵から楽しそうで温かい保育場面が想像できるか」という視点だと思います。

 

※ちなみに下に行けば行くほど古いもの(最初に描いたもの)になります。

やっぱり描く回数を経るにつれ、少しは上達するんだなあと思います‥。

 

〇歯磨き

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〇お正月遊び

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〇身体測定

f:id:studym:20181209020832j:plain〇水遊び

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〇植物を育てているところ

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実技試験の本番の様子と感想は、またおって記事にしたいと思います。